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書籍批評

ここでは、過去に出版されたさまざまな書籍の批評を行ってみます。
みなさんの読書の一助となれば幸いです。

「はじめての言語学」

黒田龍之介著、講談社刊。
はじめて言語学に興味を持った方には、うってつけの入門書といえるでしょう。
言語学に対するあやまった認識を払拭してくれるすっぱりとした切り口は、小気味いいほどです。
かといって、小難しい話が詰まっているわけではなく、楽しみながら一気に読み進めることができます。
無数にある世界の言語への扉を、読者の前に大きく開いてくれる案内書といえるでしょう。

「幽霊のいる英国史」

石原孝哉著、集英社刊。
「幽霊(ゴースト)」という視点から、英国の歴史を読み解いてみようという、一風変わった英国史の本です。
といっても、怪しげな心霊モノの読物ではありません。
ケンブリッジ大学の客員研究員を務めた筆者が、その確固たる英国史の知識を背景に、各地に伝わるゴーストの伝説を紹介しています。
英国人はゴーストを排斥することなく、現代もその存在を認めて、共存しています。
そこには、庶民の権力者に対する声なき批判や、歴史に埋もれていった敗者の存在が見え隠れしているのです。
一読すれば、英国史通になっていること請け合いの一冊です。

「宇宙を復号する―量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号」

チャールズ・サイフェ著、早川書房刊。
この本の内容を一言で説明すれば、「宇宙とは情報でできている」ということになります。
最先端の情報理論を駆使して、宇宙を復号(デコード)してしまおうという内容なのですが、読破するためには量子理論や数学に対する若干の基礎知識は必要になるかもしれません。
ブラックホールですら情報であるとする展開は、すべての物理的パラドックスも情報理論で解決できてしまうという、驚きのポピュラー・サイエンスです。